「暑熱順化」で暑さに負けない身体を作ろう!

急に気温が高くなって暑くなると、身体はまだその暑さに慣れていないため、怠さを感じたり、疲れやすくなったりします。
また、暑さに慣れていない状態は熱中症になるリスクも高くなります。

しかし、暑い日が続くと、身体はその暑さに慣れ、暑さに強くなっていきます。
体が暑さに慣れることを「暑熱順化」と言います。

◆暑熱順化の効果
人間の身体は体内の温度が上がると汗をかきます。
その汗が蒸発することによる気化熱で体温を下げます。
暑熱順化により、順化前より低い体温で発汗が始まり、順化前と同じ体温でもより多くの汗をかくようになります
特に、前胸部と前額部にすぐ汗をかくことで、心臓と脳の温度上昇を防ぐことに繋がります。

他にも、体温の上昇や心拍数の上昇を抑える効果もあります。

◆暑熱順化のタイミング
個人差はあるものの、暑い環境で3~4日経つと暑熱順化がはじまり、汗をかきやすくなります
さらに3~4週間経つと発汗時に無駄な塩分を出さないようになり、発汗に伴う塩分欠乏を防ぐことができるようになります

そのため、急に暑くなった日や、新たに高温多湿の場所での作業が発生する場合などは、暑熱順化できていないため注意が必要です。
また、一度暑熱順化しても、4日程度暑さから離れてしまうと順化の効果は失われはじめ、3~4週間後には完全に喪失してしまいます
そのため、涼しい日が続いた後などは身体が暑さに慣れていない状態に戻っている可能性があるため、併せて注意が必要です。

◆暑熱順化の取り組み
実際に気温が上がるのを待つのではなく、普段から体を暑さに慣れさせるための取り組みをすることが重要です。
運動や入浴などで汗をかく習慣をつけることが有効です。

運動はややキツイと感じる程度の強度で、30分程度行います。
ウォーキングやジョギング・サイクリングや筋トレなど、実施後に軽く汗をかくのが目安です。
頻度は可能であれば毎日を目指し、難しい場合は週3~5日は取り組むようにしましょう。

お風呂はシャワーで済まさずに、しっかり湯船で入浴します。
こちらも入浴後に適度に汗をかくのが目安です。

運動も入浴も、汗をかいたあとはしっかりと水分補給を行い、適度に塩分も摂りましょう。

日常生活の中で汗をかく習慣を身につけて身体を暑さに慣れさせ、夏を元気に乗り切りましょう!