食事は摂取カロリーとPFCバランスに気を付けよう
健康な身体を維持するために食事は非常に大切です。
しかし、ついつい暴飲暴食をして、必要以上に食べ過ぎてしまったり、炭水化物や脂質が多いものばかり食べていないでしょうか?
ダイエット中の方は、逆に必要以上に食事を減らしたり、炭水化物抜きなど極端な食事になっていないでしょうか?
健康のためには、量も栄養も過不足無く摂取することが重要です。
「必要十分なカロリー」と「栄養バランス」の取れた食事を摂るためのポイントを把握しておきましょう。
■摂取カロリー
1日に必要なカロリーは、性別、年齢、どのくらい体を動かしているか、といった要素によって決まります。
厚生労働省が推奨しているカロリー数は次の表の通りです。
ご自身が1日に必要なカロリー数が分かったところで、普段カロリーを気にしていない方も試しに1日だけ計算してみてはいかがでしょうか?
食品のパッケージにカロリー数が書かれているものも多くあるため、ざっくりとでも足し算をしてみると、普段の食事での過不足の目安がつきやすくなると思います。
何気なく摂っていた甘いお菓子やコッテリした食事のカロリー数に驚く、なんていうこともあるかも知れません。
■PFCバランス
PFCバランスとは、タンパク質・脂質・炭水化物の栄養バランスのことを指します。
PFCは、タンパク質(Protein)脂質(Fat)炭水化物(Carbohydrate)それぞれの言葉の頭文字を取っています。
厚生労働省が推奨するPFC各栄養素のバランスは次の通りです。
成人の場合
・タンパク質 13~20%
・脂質 20~30%
・炭水化物(糖質+食物繊維、アルコール分を含む) 50~65%
前段でご紹介した「カロリー」は、PFC各栄養素の量から求められます。
そのため、例えば2000kcalを摂取するとしても、炭水化物ばかり食べても、PFCをバランスよく食べても、どちらもカロリーは2000kcalとなります。
必要な量のカロリーさえ摂れば良いのではなく、栄養バランスも併せて考える必要があります。
また、上記の推奨量をご覧いただくとわかるように、各栄養素とも、推奨量にはある程度の幅があります。
そのため、個々人の状況に応じて、各栄養素の量は調整する余地があります。
例えばダイエットや筋トレをされている方の場合は、上記の範囲の中で、タンパク質は多め、脂質と炭水化物は少なめを意識すると効果的です。
ここで間違えてはいけないのは、特定の栄養素ばかりを摂取して、他の栄養素を極力摂らないような食事は健康を害する恐れがあります。
タンパク質ばかり摂る、炭水化物を抜く、などの偏った食事をしている場合は要注意です。
最近の研究の事例として、2022年1月の国立がん研究センターの報告では、炭水化物の摂取量が少なく、タンパク質と脂質の摂取量が多い人ほど、がんの罹患リスクが高いことが示されています。
<参考>低炭水化物食とがん罹患のリスクとの関連について - 国立がん研究センター
私たちの身体は食事で得た栄養素から作られます。
繰り返しになりますが、PFCどの栄養素も健康のために必要であり、バランスよく摂取することが重要です。
■カロリー数と栄養素の例
最近では飲食物を販売しているお店やメーカーのホームページには、カロリー数や栄養素が掲載されていることがあり、誰でも手軽に調べることができます。
<例>
販売店 | 商品名 | カロリー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) | 炭水化物(g) |
---|---|---|---|---|---|
マクドナルド | ビッグマック® | 525 | 26.0 | 28.3 | 41.8 |
カレーハウスCoCo壱番屋 | ポークカレー | 714 | 11.5 | 19.6 | 126.5 |
幸楽苑 | 中華そば | 697 | 26.9 | 21.9 | 89.6 |
かっぱ寿司 | まぐろ | 71 | 5.5 | 0.2 | 11.3 |
銀座コージーコーナー | 苺のショートケーキ | 356 | 4.2 | 25.4 | 28.1 |
30代女性(身体活動レベルⅡ)の1日の摂取カロリーの目安は2,000kcalです。
おやつにショートケーキを食べようと思うと、朝昼晩の3食の量が均等だと1食540kcal程度にする必要があります。
PFCバランスで見ると、ショートケーキはタンパク質 7.3%、脂質 44.0%、炭水化物 48.7% です。
脂質が多く、タンパク質が少ないため、その分は他の食事で調整する必要があります。
このように、数字で見てみると思わぬ気付きがあるのではないでしょうか?
なお、カロリーを摂取する機会は食事や間食だけではありません。
甘い飲み物をよく飲んでいる、お酒を飲みながらおつまみを食べている、など、食事や間食以外で口にしているものについても気を付けないと、知らず知らずのうちにカロリーオーバーになっているかも知れません。
いつまでも健康的な身体を維持していくために、普段の食事のカロリーとPFCバランスに目を向けてみてはいかがでしょうか?
<こちらの記事も併せてご覧ください>
摂取カロリーの栄養素を意識しよう!
三大栄養素を知ろう① タンパク質とは?
三大栄養素を知ろう② 脂質とは?
三大栄養素を知ろう③ 炭水化物とは?