筋肉のカタボリックってなに?

カタボリック」という言葉を聞いたことはありますか?
聞きなれない言葉ですが、筋肉トレーニングをしている方の中には「カタボリック」に気を付けている人も多いはず。
もちろん、筋トレをやっている方だけが知っていればよい言葉では無く、健康やダイエットに気を付けている方も知っておきたい言葉です。

■カタボリックとは?
カタボリックは体内の栄養素を分解してエネルギー源とすることです。
異化とも言います。

私たちが生命活動を行う上でエネルギー源となるのは主に糖質や脂質です。
食事から得た糖質や脂質は異化されてエネルギー源となります

ここでポイントとなるのが、糖質や脂質が不足した場合です。
激しい運動や空腹などでエネルギー源が不足すると、身体はタンパク質(筋肉)を異化してエネルギー(アミノ酸)にします
そのため、タンパク質による異化が進んでしまうと、筋肉が発達せず、筋肉量が減ってしまいます。

そのため、筋トレを行っている方の中では
カタボリック=筋肉の分解
とする考え方があります。

■アナボリックとは?
アナボリックはエネルギーを消費して別の物質を作り出すことです。
同化とも言います。

筋肉に焦点を当てると、食事でタンパク質を摂取し、血中のアミノ酸が高まることで筋肉を合成(同化)します

私たちの身体の中では、常に、新しい細胞を作り、古い細胞を排出する、新陳代謝が行われています。
カタボリック(異化)とアナボリック(同化)はこの新陳代謝にあたります。

■カタボリックは起こしてはダメ?
カタボリックは上記の通り、身体の新陳代謝の動きの1つです。
そのため、カタボリックは絶対に起こしてはいけないものではありません

筋肉におけるカタボリックも、古くなったタンパク質をアミノ酸にして再利用するため、決して悪いことではありません。

ここで気を付けなくてはいけないのは、カタボリックとアナボリックのバランスです。
カタボリック(異化)とアナボリック(同化)がバランスよく行われている場合は問題ありません

ここでも筋肉に焦点を当てると、
アナボリック(同化)の方が多い → 筋肉量の増加
カタボリック(異化)の方が多い → 筋肉量が減少
となるため、カタボリックに偏ってしまうことは注意が必要です。

■カタボリックを起こさないためには?
・栄養バランスの摂れた食事を心がける
エネルギー源となる糖質や脂質はもちろん、運動や筋トレ後はタンパク質のカタボリックが起こりやすいため、食事からタンパク質を意識的に補給するようにしましょう。
炭水化物抜きダイエットなど、栄養バランスの偏った食事は止めましょう

・1日3食しっかり食べる
空腹はエネルギー不足のサインです。
朝食抜きなどの食生活は空腹状態を作ってしまうため、3食しっかり食べるようにしましょう。
ダイエット中の方は食事を減らしがちですが、筋肉の減少は痩せにくい身体になるため、逆に食事はしっかり適量を食べましょう。

・運動は適度に行う
長時間の運動やオーバーワークなトレーニングはエネルギー不足に陥り、カタボリックに偏りがちです。
無理はせず、運動は適度に行いましょう。
筋肥大を狙う等、意図的に強度の高いトレーニングを行う場合はトレーニングの前後に栄養補給を行い、エネルギー不足を避けるようにしましょう。

カタボリックに偏ってしまうと、筋肉量の減少に繋がってしまいます。
筋肉量の減少は基礎代謝の低下にも繋がります。
そのため、健康やダイエットを意識している人にとってもカタボリックに偏ることは気を付けたいポイントとなります。

エネルギー不足を避け、新陳代謝がしっかり行われる身体を作りましょう!

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