タンパク質の過剰摂取は要注意?

筋トレやダイエットを本格的に取り組みはじめると気になるのが食事の栄養素です。
脂質や炭水化物を減らし、タンパク質を積極的に摂るよう意識する方も多いのではないでしょうか。

近年の筋トレブームもあり、タンパク質が多く摂れる食品や、タンパク質の含有量をアピールする食品が非常に増えました。

その結果、
「タンパク質は健康」
「脂質や炭水化物は不健康」
「タンパク質だけを食べていれば痩せる(筋肉が付く)」
のような偏ったイメージを持ってしまっている方も増えているのではないかと思います。

残念ながら、タンパク質を過剰に摂取すれば健康になったり、筋トレやダイエットが成功する訳ではありません。
逆に過剰摂取は健康リスクを高めてしまうため、注意が必要です。

◆タンパク質とは?
タンパク質は細胞や筋肉の主成分です。
身体の組織や臓器、筋肉、骨、皮膚、髪などの成長や修復に欠かせません。
その他にも、免疫機能の維持や強化にも役立っています。

◆過剰摂取による影響は?
・腎臓への影響
体内で使われずに余剰となったタンパク質は尿として体外へ排出されます。
腎臓がその働きをしますが、タンパク質が過剰に供給されるとそれだけ腎臓も過剰に働くことになります。
長期間にわたる過剰な摂取は内臓疲労に繋がり、腎臓への損傷や慢性的な腎臓病のリスクを高める可能性があります。

・心血管への影響
タンパク質には大きく分けて動物性と植物性の2つがあります。
動物性のタンパク質の過剰摂取は飽和脂肪酸やコレステロールの増加にも繋がります。
その結果、心血管疾患のリスクが高まる可能性があります。

・消化器系への影響
過剰なタンパク質摂取は消化器系にも負担をかけてしまいます。
その結果、消化不良や腹痛、便秘などの問題が起こる可能性があります。
他にも、動物性タンパク質の過剰摂取は悪玉菌を増やし、腸内環境の乱れにも繋がります。

◆上手な摂取方法
・摂取量を気を付ける
性別・年齢・身体活動レベルに応じて摂取目標量が異なります。
厚生労働省の推奨している摂取量は次の通りです。

・タンパク質以外もしっかり摂取する
炭水化物や脂質は身体を動かすためのエネルギー源となります。
ビタミン、ミネラルなどの栄養素は筋肉の修復や維持に必要です。
タンパク質だけを過剰に摂ろうとするのではなく、栄養バランスを考えた食事が重要です。

・適度な運動をする
タンパク質は筋肉の修復や成長に重要ですが、使われなかった分は老廃物として排出されてしまいます。
適度な運動を行うことでタンパク質の利用が最適化されます。
タンパク質を食べるだけではなく、適度な運動を組み合わせることで健康な身体作りができます。

 

タンパク質は過剰に摂取すればよいというわけではなく、逆に身体への負担を増やして健康リスクを高めてしまいます。
栄養バランスに気を付けて、しっかり動いてしっかり食べることで、健康的な身体作りを目指しましょう!

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